日本イタリア料理界の巨匠・日高シェフが語る、「料理人からみた濃いアーモンドミルク」

イタリア料理に馴染みのあるアーモンド

（日高シェフ）アーモンドミルクを飲む前のイメージは、自分の中にアーモンドミルクと距離感がありました。牛乳や豆乳の代わりとしてアーモンドミルクを使うというのは想像がつかなくて。

ただ、アーモンドを食材として考えた時に、シチリアにはアーモンドの木がたくさんあり、イタリアでも名産品の1つです。シチリアの伝統的なドルチェであるビアンコマンジャーレも、アーモンドを炊いてミルクを取って作っています。アーモンドから作るミルクと言うのは、昔からよく使われているものであって、イタリアではとても馴染みがあるんです。

濃いアーモンドミルクは飲んでみて率直に美味しいですよね。食材としても、いつもの料理に足してみると言う部分でいろいろ使いやすいのではないかと思います。

"牛乳と比べ加熱で分離しない！煮込んで旨みをとことん出せる"

牛乳は熱によりタンパク質が固まって分離してしまい、熱を加えすぎるとざらついたイメージになってしまいます。
アーモンドミルクの場合、ソースが煮詰まっても生クリームのようにトロトロとした感じにならないので使いやすいですね。
鶏のクリーム煮や豚肉・白身魚とも相性が良く、パスタ料理もおすすめです。

"コクがありつつ、軽い食感！"

生クリームは乳脂肪分が強く、使い方によっては料理自体が重くなる時もありますが、アーモンドミルクの油脂分はそんなに重々しくならない。生クリームとはまた違うコクがあります。
料理によってアーモンドミルクに置き換えると、コクを出しつつも軽やかな味わいの料理ができるので使いやすいです。

特にビーガンの料理はコク・旨みを出すのが難しいので、アーモンドミルクをコク出しとして加えるのもおすすめです。

白菜を炒め、そこにアーモンドミルクとソテーした鶏肉を一緒に加えて煮詰めます。
煮込み時間はわずか10分！長時間煮込まなくても鶏肉をしっかり焼くことで旨味が出やすくなると共に、旨味の出方が早くなります。
料理中に自然に出る旨味と塩だけで充分美味しい逸品です。