薬膳で美容をつくる食のとりいれ方

身体の基本は「食」から

私は漢方・薬膳の魅力を伝えるべく、漢方薬店を運営しております。漢方薬店では、1~2時間ほどかけてお客様のお悩みを伺い、その方にあった体質改善の方法を一緒に考えていきます。その中で私が大切にしていることは「健康は自分でつくる意識を持っていただく」ということ。身体は日々の生活の中でつくられていきます。そのため、ご体調以外にも、お食事内容・時間、睡眠、運動などトータルして伺います。養生としては食事方法が最も取り入れやく、薬膳視点のアドバイスはほぼ全員にお伝えしております。

薬膳は難しくない。セルフケアにむく理論

薬膳というと、皆さん想像するのが「高麗人参などを使う苦そうな食事」です。しかしそうではありません!薬膳とは、季節やその方の体質に合わせて作る食事のことです。例えばお風邪の時のお粥。身体は、自然と消化に良いものを求めます。それはお風邪でエネルギーが不足しているため、効率的に気を養おうとするからです。
胃腸は食べたものをエネルギーに変換する場所です。そのため、消化に負担のかからないものをチョイスし回復力をつけようとしているのです。汗を多くかいているときには梅を加えます。梅の酸味はキュッとお身体を引き締める「収斂(しゅうれん)」作用があるため、汗とエネルギーのダダ漏れを防ぎ、元気を保持するよう働きます。

どうでしょうか。自然と選んでいることを理論的に説明すると実は薬膳だったりするのです。日常でお身体に生かせる食の理論こそが「薬膳」なのです。

美容をつくる潤い食材

もともと漢方医学の基礎となるのは中医学です。中医学は中国の伝統医学で、皇帝など高貴な方々に最も使われてきた医学です。病気を治す、予防することはもちろん、美容にも欠かせません。女性はいつの時代も「美しく生きる」ことに貪欲ですね。そのため「美容の薬膳」が当たり前に存在します。

体質に合わせた食事は大切なのですが、そもそもプルプルお肌の基本は「陰」を養うことです。

陰というとネガティブな意味合いにとられがちですが、陰は水のような、陽は火のような役割でどちらも欠かすことはできません。基礎理論的な説明を少しさせていただきます。

【陰(いん)】
身体の潤いをたもち、鎮静に働きます。皮膚、髪、腸など、潤いを与え体内の乾燥の予防をサポートします。鎮静というのは、心を穏やかにし質の良い睡眠に導きます。

(陰の不足チェック)
✔︎乾燥肌
✔︎ドライアイ
✔︎睡眠の質が悪い
✔︎寝汗が多い
✔︎手足が火照る
✔︎便秘、コロコロ便になりやすい

このような症状は陰が不足している可能性が高いです。美容だけでなく、心の安定や、女性ホルモンのゆらぎにも発展していきます。お身体からのサインを見逃さず、日々ご自身のお身体に目を向けてみましょう。

(陰を養うおすすめ食材)

・ナッツ類
アーモンド、くるみ、松の実
良質なオイルを含んでいるような食材がおすすめです。

・白い食材
蓮根、山芋、豆腐、梨、白胡麻

・その他
蜂蜜、手羽元など骨つきのお肉

薬膳師としてのメニュー開発

私は2020年まで東京都(新橋)で薬膳鍋の飲食店プロデュースをしておりました。薬膳鍋は具材や和漢植物の栄養をスープにうつし、具材だけでなくスープ丸ごといただくような食事です。美味しく食し、健康をつくる養生を知っていただくため、季節や体質ごとのメニュー開発に邁進しておりました。
乾燥や美容に特化したスープでは「アーモンドミルク」がすごく活躍してくれたのです。
『濃いアーモンドミルク』は、アーモンドの含有量が多いため栄養価が高いのはもちろん、効率よく吸収できる液体であることも使いやすいポイントでした。薬膳鍋の真髄はスープです。胃腸が弱っている時には無理に具材を食べるのでなく、スープをゆっくり飲んでいただくことがお体にとって最適なのです。

2021年末には築地に「食の専門店」をオープン予定です。1階は無添加の食品・お菓子・お惣菜など物販し、2階では薬膳鍋もご提供予定です。今もメニュー開発に勤しんでいますが、『濃いアーモンドミルク』を活用しようと考えております。食から健康を作り、多くの方の幸せに寄与していけるよう、これからも励んで参ります!

page top
Facebook Instagram